「観察による造形活動」の深まりと変化について : ウサギの造形を通して(I.教育科学系)
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概要
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現代の子供たちにとっては本物の自然物より人工的に作られた物の方が身近である場合が多い。そのような生き物の一つである「ウサギ」を手がかりに,子供たちが自然物の観察にどのような傾向を示し,学年上昇とともにどのような傾向を示すかについて分析し,造形教育方法の検証の試みとして位置づけようとした。大学と附属小・中学校との連携によって,複数学年にわたり同一の条件で同様の制作活動を実施し,出来上がった作品と対峙する中でいくつかの特徴的パターンを発見し分類を行った。立体造形に於ける造形能力の検証文献を参考としながらも,今回の検証事項を観察力の深まりや描写力の成長過程とせず,観察造形から読みとれる児童生徒と現実の形態との距離感を汲み取ることとし,キャラクターやマスコットに象徴される単純化された造形物の影響にも注目しながら,年齢の上昇・作品の変化の相関から傾向と問題点を絞り込もうとした。その結果学年進行とともに見られる2つの傾向に注目することとなった。
- 2006-02-28