非行等の問題行動を伴う生徒についての教師へのコンサルテーション : 非行臨床心理の立場から(I.教育科学系)
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概要
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本研究は,非行等の問題行動を伴う生徒についての教師へのコンサルテーションにおいて,臨床心理の専門家であるコンサルタントが着目すべき点と援助の方向性について,非行臨床心理の立場から検討することを目的としている。本研究では,教師への3つのコンサルテーション事例の検討の結果,(1)コンサルティの「観察する眼」の回復(あるいは補助)に着目し,それを目指した援助,(2)生徒の非行等の問題行動の奥底にある心理状態の的確なアセスメントの提供が有効であると考えられた。さらに,非行傾向のある生徒の多くが信頼に足る大人との関係に恵まれていないことを踏まえると,本研究で取り上げられた3事例のように,生徒の対応や理解に苦心し模索する教師との関係のプロセスを体験することそのものが,彼/彼女らにとって大きな教育的意味をもたらすものであろうとの見解が示された。
- 2006-02-28