北海道におけるリンゴ鱗翅目害虫用合成性フェロモントラップに誘殺される対象外害虫
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概要
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リンゴの鱗翅目害虫6種(モモシンクイガ,リンゴコカクモンハマキ,リンゴモンハマキ,ミダレカクモンハマキ,ナシヒメシンクイ,キンモンホソガ)を対象とする発生予察用フェロモン誘引剤を用いた合成性フェロモントラップについて,捕獲される対象外害虫の種とその誘殺消長を北海道道央部で1984年および1985年の2年間,道北部で2004年に調査した.道北部では,慣行防除園のみならず,交信攪乱剤利用園についても調査を行った.フェロモントラップに捕獲された対象外害虫では,以下の種の誘殺数が比較的多かった.コブシロシンクイ(モモシンクイガ用トラップ),アトキハマキおよびコホソスジハマキ(リンゴコカクモンハマキ用トラップ),アトキハマキ,ツヅリモンハマキおよびヤマトビハマキ(リンゴモンハマキ用トラップ),ホソバハイイロハマキ(ナシヒメシンクイ用トラップ).これらの対象外害虫の識別は未熟練者であっても識別は比較的容易であるが,ナシヒメシンクイ用トラップではスモモヒメシンクイおよびイバラヒメシンクイを主とするGrapholita属6種が誘殺され,トラップに付着した状態での識別は困難である.リンゴの発生予察用性フェロモントラップに誘殺される対象外害虫の多くは調査園外部から侵入し,その種類は調査園周囲の植物相に大きく影響されると考えられる.
- 2006-08-25
著者
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