心臓外科の最新の進歩
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概要
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各分野における外科手術の低侵襲化に伴い,心臓外科領域においても体外循環を使用しない冠動脈バイパス手術「off pump coronary artery bypass grafting (off pump CABG)」の有用性が見直されつつある。体外循環が安全に施行できる現在においても,腎機能や脳血管ならびに中枢神経系に対する人工心肺の悪影響が完全に回避できるわけではなく,オフポンプ手術の有用性は高い。現在本邦において年間約2万例のCABGが行われているが,その60%がオフポンプで施行され,手術死亡率0.8%と良好な成績が示されている。一方,内科的治療が限界に達し末期的心不全を呈する症例に対しては,心臓移植あるいは補助人工心臓が最後の外科的治療法とされてきた。しかし近年,自己の心臓を何らかの外科的手術で修復することによって心機能の改善を図る試みが注目されつつあり,演者の考案したSAVE手術やDor手術,Batista手術などの心室縮小手術は,内科治療と臓器置換というかけ離れた大きなギャップを埋める新しい治療法として注目され期待されている。
- 日本保険医学会の論文
- 2006-09-17
著者
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