やりとり関係の変容にみられる自閉症幼児の連続する行動の検討
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
辻・高山(2004)では,他者と互いの意図を調整しながらやりとりをすることが困難な自閉症児に対する支援のあり方を検討するために,一事例の自閉症児とその母親とのシャボン玉遊び場面でのやりとりを観察した。その結果,対象児は,母親との間でやりとり関係を成立させる中で,自分の行動を連続させることが多くなっていることが明らかになった。そこで,本研究においては,対象児と母親が注意を共有させながらやりとりしている場面に着目し,そこで観察された対象児の連続する行動,すなわち⌈S-S行動⌋を詳細に分析することによって,対象児が母親と互いの意図をどのようにして調整しあったかを探ることを目的に行った。その結果,対象児は,物を介して母親とやりとりをする中で,自己の意図を明確にし,母親も意図を有していることを理解するようになったことが明らかになった。また,そうした理解をベースに,対象児は,母親の行動を予測できるようになり,それによって,自分の意図の調整をするようになったと考えられた。
- 2006-08-20
著者
関連論文
- 1025 脳性マヒ児の「動き」に関する一考察 : 腕の分離動作の学習と車椅子移動能力との関係について(障害(5),口頭発表)
- 529 "Body Image"の構造モデルの作成 : 人物画検査の分析によるGorman, W.のテーゼの熟成(摂食,人格5,口頭発表)
- 自閉症児のコミュニケーション行動の変容に関する研究 : 指さし行動の形成の指導を通して
- やりとり関係の変容にみられる自閉症幼児の連続する行動の検討
- 自閉症幼児における三項関係の成立過程の分析 : シャボン玉遊び場面でのやりとり
- 子どもの推論過程に関する研究 : プロトコルの分析から
- 女性障害者の現状と今後 : 優生保護法から母体保護法への移行のなかで
- 知的遅れを併せもつ運動障害児のセルフモニタリングを育てる指導 : 数量(保存)概念の獲得をめざして
- 肢体不自由養護学校における授業分析に関する研究 : 教師と子どもの相互作用について
- 発達障害のある子どもの対人関係支援法の探求(4) : 広汎性発達障害児への情動認知と情動制御の支援(自主シンポジウム53,日本特殊教育学会第48回大会シンポジウム報告)
- 学習障害児(者)における算数障害とその指導法に関する文献的考察
- 自閉症幼児における三項関係の成立過程の分析 : 母親の視点から
- 重度・重複障害児における模倣によるやりとりと他者への注視
- 障害児における他者の意図理解と模倣
- 重度・重複障害児の模倣行動の発達
- 中学校特殊学級における障害児の余暇指導に関する研究