「個体差」の統計モデリング
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
生態学のデータ解析で一般化線形モデル(generalized linear model; GLM)が普及していくにつれ「GLMだけでは説明がむずかしい現象」にも注目が集まりつつある。たとえば「過分散」(overdispersion)はわれわれがあつかう観測データによくあらわれるパターンであり、これは「あり・なし」データやカウントデータのばらつきがGLMで解析できなくなるほど大きくなることだ。この過分散の原因のひとつは個体差・ブロック差といった「直接は観測されてないがばらつきを増大させる効果」(random effects)である。この解説記事ではこのrandom effectsも組みこんだ一般化線形混合モデル(generalized linear mixed model; GLMM)で架空データを解析しながら個体差・ブロック差を考慮したモデリングについて説明する。
- 日本生態学会の論文
- 2006-08-31
著者
関連論文
- 簡単な例題で理解する空間統計モデル(始めよう!ベイズ推定によるデータ解析)
- 植物集団の栄枯盛衰を格子モデルで調べる (人工生命--生命現象のシミュレ-ションと再構成)
- 森林群集の数理的解析(森林群集はどこまで解明されたか)
- 熱帯多雨林で樹木の種の多様性が高いのはなぜか?
- 分子系統樹から進化史における生物の絶滅率を推定する(第26回シンポジウム : 分子系統学の現状と展望)
- P40 アカマツ苗木の構造とバイオマス生産に対する OH ラジカル発生水の影響曝露から 20 年後までの成長シミュレイション
- 社会性狩りバチにおける血縁認識 (社会性昆虫における認識機構とカースト分化機構)
- Rで改善する生態学のデータ解析(学術情報)
- 樹木・森林生態学「よく出る」誤用統計学の基本わざ
- 最近のベイズ理論の進展と応用[I] : 階層ベイズモデルの基礎
- 日高敏隆・松本義明監修, 本田計一・本田洋・田付貞洋編, 「環境昆虫学行動・生理・化学生態」, 568pp., 東京大学出版会, 定価8500円
- 「個体差」の統計モデリング
- 野外調査における事故防止のために
- 最近の比較生態学の方法の発展 : 種間比較には系統関係が必要である
- 生物集団の絶滅はどのように起こるのか--分子系統樹から絶滅率を推定する (生物はなぜ絶滅するか)
- ギャップ動態と攪乱の役割 : 格子モデル(森林系研究の展望 : シュートから地理分布動態まで)
- 階層モデルで「個性」をとらえる (特集 統計科学のすすめ(その2))
- 長期観測データを解読する森林シミュレイター (特集 自然はどう移り変わるのか)