奈良教育大学構内における菌類相とその季節変化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
奈良教育大学構内に発生したキノコは全32科150種であった。種数については菌根菌(67種)と腐生菌(63種)は同じ程度であったが、乾重については菌根菌(2568.8g)が腐生菌(774.6g)よりも3倍以上多く発生した。菌根菌ではベニタケ科・イグチ科・フウセンタケ科・テングタケ科が優占しており、これらの乾重量の合計が菌根菌全体の9割以上を占めた。腐生菌ではキシメジ科・ハラタケ科・ノボリリュウタケ科・ヒトヨタケ科が優占し、これらの乾重量の合計が腐生菌全体の8割以上を占めていた。種数の季節変化としては5月下旬-6月下旬・8月下旬・10月上旬に多くの種が見られた。乾重量の季節変化も種数の季節変化と似ていた。発生種数及び発生量の季節変化と奈良市の降水量・気温を比較すると、5月・8月・10月の降水量の多さがキノコの発生に関係しており、7月の雨の少ない時にはキノコの発生量が減少していた。理科棟周辺のシイやマツのまわりと図書館東のカシのまわりに多く発生した。
- 奈良教育大学の論文
- 2005-11-30