「困難な患者」との医療面接実習 : 模擬患者参加型医療面接実習を利用した全人的医療教育(シンポジウム/卒前・卒後教育に果たす心身医学の役割-全人的医療の教育を目指して-第46回日本心身医学会総会)

概要

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「全人的医療」「心身医療」を実践するうえで,患者との良好な関係を構築する作業は必須であり,その導入部分にあたるのが「医療面接」であうう.臨床実習前,学生によつては基本的なテクニックの習得のみに固執し,それだけで十分と認識する者も多い.臨床実習に入り,多種多様な患者と接し,良好な関係を構築することの難しさに初めて気づくに至るが,「気づいた」学生が問題をどのように解決していくかにつき,指導は各診療科,担当教官に委ねられ,ある種経験則での対応となつている.そこで当大学総合診療部にて臨床実習中の第5学年に対し,模擬患者(simulated patient: SP)の演じる,医療者が困難と感じる患者(「怒る患者」「訴えの多い患者」「病識のない患者」など)と接する場面を設定した医療面接実習を実施した.実習を通じて,医学的情報のみでなく,解釈モデル,心理社会的背景を十分に把握し,患者を「病気をもつた人」として診ていくことの重要性を認識できることを目標としている.実習では医療面接終了後,教官,学生,SPでディスカッションを行っているが,これが問題解決の糸口を見つけるとともに,失敗体験や外傷体験になることを防ぐものと考えている.
日本心身医学会の論文
2006-08-01