臍帯動静脈血における血清脂質および脂肪酸構成
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概要
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近年,乳児の成長・発達に対する脂質およびFA代謝の重要性が強調されているが,今回は胎盤通過機能を中心にUA・UV血の分析を試み,以下の成績を得た。1.血清脂質(TC,HDL-C,TG)は,いずれも20才代が30才代より高値を示した。2.血清脂質のなかでもとりわけTG値は,一般健常成人にくらべ著しく低値を示した。3.動脈硬化指数は,20才代,30才代ともに良好な状態にあった。4.血清FA構成では,年代差はみられず,ArteriesとVeinにおいてもほぼ同一の比率を示した。5.臍帯血中の主要FAについてみると,一般健常成人に比し,C_<20:4>が著しく高値を示したほか,C_<16:1>,C_<18:0>,C_<22:6>が高い傾向にあり,逆にC_<18:2>は低値を示した。今後,新生児血中における脂質および各FAの胎児発育への役割について検討していく必要がある。さらに継続してUA・UV血における微量元素についても測定,分析をすすめていきたい。研究にあたり終始御指導を賜わりました島根医科大学山根洋右教授,吉田暢夫助教授,中川昭生助手ならびに松江市立病院山根俊夫産婦人科部長に厚く御礼申しあげますとともに,留学の機会を与えていただきました島根女子短期大学に対し深く感謝いたします。なお,本研究は,昭和59年度本学留学規程に基づき,島根医科大学第2環境保健医学教室で行なったものの一部である。
- 島根県立大学短期大学部の論文
- 1986-03-30
著者
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