蔬菜の耐塩性に関する研究とくに無機栄養に関して
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概要
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本邦の海岸地帯における重要な蔬菜園芸地ではしばしば塩害が問題になる.しかして蔬菜塩害地の大部分は砂質地であるため,海水塩類が土壌そのものの性質を変化せしめることによる間接的影響は大して問題にならず,おもに塩類過剰による直接的な生育障害と考えられる.塩類過剰による植物の生育障害に関しては従来も多数の研究があり,一般にはイオンの特異的作用よりも浸透圧の作用(吸水阻害)の方が1次的原因をなすものと考えられている.しかしながら,海水による蔬菜の塩害の診断や対策に直接有用なまとまった研究は見当たらず,とくに無機栄養の問題をとり扱ったものは少ない.本研究は以上の観点から,1951〜1962年にわたり,無加温のガラス室内における砂耕試験によって,蔬菜の相対的耐塩性について検討し,さらに蔬菜の耐塩性に関し主として無機栄養の面から基礎的研究を行なったものである.
- 1965-01-15