新潟県における看護学生・看護師の喫煙行動と喫煙に対する禁煙支援活動の状況 : 卒前卒後看護師における喫煙関連教育カリキュラム導入を目指して
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概要
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目的:禁煙への社会的要求に応える禁煙指導を実践できる看護職養成のための卒前卒後カリキュラム策定を念頭に置き,新潟県内の大学あるいは短期大学在学の看護学生および教育医療機関の看護師の喫煙行動,喫煙に関する意識,看護師の禁煙支援の実態を検討した.方法:対象は新潟県内の3大学に在籍する看護学生743名および1教育医療機関に勤務する看護師490名である.これらに対し喫煙習慣,看護職者の喫煙に対する意識,禁煙サポート実践状況に関する無記名自記式アンケートを実施し,回答が得られた女性看護職者(学生690名,看護師432名)を分析対象とした.結果:看護学生全体の喫煙率は6.2%であったが,高学年ほど高くなる傾向を認めた.看護師全体の喫煙率は16.0%であり,看護学生に比べ有意に高かった.喫煙開始は喫煙学生の46.3%が入学前であり,喫煙者講師の60.6%が学生時代であった.入学前に喫煙を開始した学生は,入学後に開始した学生に比べ,「1日の喫煙本数≧11本/日」,「起床後30分以内に喫煙する」が何れも有意に高率であった.就職前に喫煙を開始した看護師は,就職後に開始した看護師に比べ,「喫煙本数≧11本/日」が有意に高率であったが,「起床後30分以内に喫煙する」は両群とも45%以上であり差を認めなかった.禁煙への行動変容過程は,看護学生,看護師とも喫煙開始時期にかかわらず関心期にある者が最も多かった.「看護職は喫煙すべきではない」との意識は看護学生の36.4%,看護師の25.2%と少なかった.何らかの禁煙指導を日常的に実施している看護師は12%にすぎず,主な未実施理由は知識・技術不足であった.結語:看護学生と看護師の喫煙実態とし,看護専門機関人学前からや看護学生の時期からの喫煙者が多く,喫煙に対する意識が低く,看護師による禁煙指導も知識・技術不足によりほとんど実践されていないことが明らかとなった.禁煙指導充実への社会ニーズが増大する現在,卒前卒後を通した喫煙に対する意識・知識・禁煙指導技術向上のための系統的総合的カリキュラムの整備と,実践力を備えた看護職の養成が急務である.
- 2005-09-10
著者
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