ドブシジミの殻体管状構造に存在する軟体部の微細構造
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ドブシジミの殻体に存在する管状構造の内容物(caeca)の微細構造を透過型電子顕微鏡を用いて観察した。管の内部は外套膜外面上皮を構成する細胞から伸びる突起によって満たされている。突起の先端部は殻皮に達しており, 外表面を微絨毛で覆われ, 軸の内部には多数のミトコンドリアや粗面小砲体, 微小管が存在する。ドブシジミのcaecaの微細構造は, 系統的に遠く離れたフネガイ目二枚貝のcaecaの微細構造に極めて良く似ていることから, caecaはそれぞれの系統内で独立して獲得され, おそらく共通した機能を果たしているものと想像される。
- 日本貝類学会の論文
- 1997-10-31