プロセスワークに基づくイメージ療法のわが国における適応(予報)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
プロセスワークは1980年代に田中万里子とRoger Cummings夫妻が米国において開発した実践的な精神法である.それに基づくイメージ療法のわが国における適応性について検討した.対象症例は精神科外来におけるうつ病,人格障害,神経症各1例,心因反応2例の計5例で,年齢は10歳から32歳までであった.治療研究の結果,この治療法は文化,生活背景の異なる日本人においても適用可能であり,神経症圏,うつ病,人格障害,心因反応の精神科外来患者に有効であった.とりわけ心的外傷の治療を促進し,治療意欲の強い症例ほど良く反応した.本治療法は精神分析的精神療法,行動療法,認知療法とは異なった長所があり,今後,より重篤な病理を有する人格障害や精神病圏への適応拡大についても検討していく必要がある.
- 弘前大学の論文