抗てんかん薬単剤治療における末梢血液像と薬剤血中濃度
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概要
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Sodiumvalproate(VPA),Carbamazepine(CBZ),Phenytoin(PHT)およびPhenobarbital(PB)単剤治療てんかん患者の末梢血液像について血中濃度との関連を加えて検討を行った.赤血球系では, これら抗てんかん薬による影響はほとんどないものと推定された.白血球系では,VPA,CBZ,PHT服薬群に好中球減少傾向,CBZ,PHT,PB服薬群にリンパ球減少傾向を認めた.白血球の中でも臨床的に最も問題とされる好中球減少に着目するとVPA・CBZでとくに注意が必要と考えられた.血小板についてはVPA,PB服薬群に血小板減少傾向を認めた.そのうちVPA には濃度上昇によって増強する血小板減少作用があるものと考えられた.以上得られた成績の全体を総合して考察した結果,血液障害について注意をはらうべき薬剤は,まずVPA・CBZであり,ついでPHT,最後にPBの順になると結論した.
- 弘前大学の論文