西太平洋産 Favartia 属の 1 新種及び Murex foveolatus Pease, 1869=M. peasei Tryon, 1880 の後模式標本の選定
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概要
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Murex peasei Tryon, 1880はメキシコのカリホルニア半島を模式産地とするM. foveolatus Pease 1869の置換名であるが, PeaseがTryonに送った標本(フィラデルフィア自然科学アカデミー登録番号36144)を後模式標本に指定する。これと, 最近フィリピンやソロモンなどの西太平洋の産地からFavartia peaseiの名で供給される種について研究したところ, 東太平洋産のF.peasei=F.foveolatusと異ることが判ったので, 新種Favartia (Caribiella) ponderi n. sp.を創設する。模式標本は殻高16.5mm, 殻幅8.9mm(サンディエゴ自然史博物館登録番号93364)で, フィリピンのほか, ソロモン群島のガダルカナル島・マライタ島からの知られる。F.peaseiとは螺助が体層で4本で, これと明瞭に区画され前管溝の上には2本の螺助がある(F.peaseiでは一様な螺助が7本ある)。また, F.(Murexiella) striaquamosa Ponder, 1972の副模式標本は本種と同一と思われるが, 完模式標本は別種で, いっそう紡錘型で, 体層では肩より上に小さい4肋があり, 体層の最も幅広い所に強肋がありその下に2本の2次肋, 1本の3次肋をもつ。前管溝上には2本の肋と基部に1間肋がある点, 本種と区別される。
- 日本貝類学会の論文
- 1989-10-31
著者
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マイヤース バーバラW.
Department of Marine Invertebrates, San Diego Natural History Museum
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マイヤース バーバラw.
Department Of Marine Invertebrates San Diego Natural History Museum