日本産ヒザラガイ類 2 種の核型
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概要
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本邦沿岸性ヒザラガイ類の染色体については西川・石田(1969)が報告しているが, 筆者はair-drying法を用いてヒザラガイおよびケハダヒザラガイについて, より明瞭な染色体像を得たのでそれらの核型について報告する。ヒザラガイの染色体数は24(2n)で, その核型は12対の中部または次中部付着染色体から構成されている。西川・石田(1969)が報告している端部付着染色体は観察されなかった。ケハダヒザラガイの染色体数は16(2n)で, その核型は5対の中部または次中部付着染色体および3対の次端部または端部付着染色体から構成されているが, 他の染色体と比べて明らかに小形の染色体が2対含まれる。1対は中部または次中部付着染色体で, 他の1対は次端部付着染色体である。西川・石田(1969)は1∿2対の端部付着染色体を報告しているが, 本研究においては3対の次端部または端部付着染色体が観察された。またPlate Iに見られるごとく, 両種の染色体の大きさには明らかな差が認められる。
- 1976-10-20