翼足類の消化管について
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概要
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ウキビシガイ, クリイロカメガイ, マルカメガイ, ササノツユ, カメガイ, 及びヒラカメガイの六種の翼足類につき, それらの消化管の一般形態を観察したが, 〓のう, 砂のう, 胃盲のうはタツナミガイの場合によくにていた。中腸腺は褐色団子状で内臓のうの大部を占め左右のものが癒合していたがヒラカメガイでは左右対をしていた。中腸腺の組織を調査すると導管組織の発達しないこと, 細管組織の発達することは一般腹足類と同様。細管の叉状分岐型も一部の腹足類にみられる特徴であつた。ところが細管の横断面の小さいことは斧足類にみられる特徴で, これは翼足類のプランクトン摂取の食性, 細胞内消化作用の発達と関連するものではないかと推定する。
- 日本貝類学会の論文
- 1959-08-31
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