貝類の系統的比成長 : (3) エゾバイ超科及び陸貝類(金丸先生還暦祝賀記念號)
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概要
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Buccinacea 61種について殻徑と殻高との對數の相關的變異が系統的比成長の意想の下に棄却楕圓の方法によつて考究せられ, 又陸貝類についても前報(1)で論じ盡されなかつた諸點が考察せられて次の結論を得た.1) 種數を異にする群の間では√<Δ>/Nによつて變異の廣がりを比較することができる.群の擴大とともに變異が増大することは自然の理であるが, その規則性と系統的比成長の法則とによつて群の階級(科, 屬等)の限界が決定せられる.2) 上の方式に從つてBuccinumはBuccinum-型(leucostoma, striatissimum, tenuissimumを含む)とVolutharpa-型(mirandum, ampullaceum, perryiを含む)に區別される.3) FusinusもPyrenidae, Buccinidae, Nassariidaeを含むBuccinacea主體群と區別される.HemifususはFusinusと同じAllometric trendの群の成員と考えられる.4) 同屬の種間における貝殻の大きさの要素y^^-/x^^-と棄却楕圓の長軸の傾斜tanθとの相關の法則は同一科内の屬の間, 近縁な科の間等にも擴張される可能性のあることが陸貝類の變異の測定から示唆された.
- 日本貝類学会の論文
- 1951-05-31
著者
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