自立高齢者における転倒予測スケール作成の試み

概要

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地域参加型機能訓練事業の参加者を通して自立高齢者の機能低下に起因する転倒リスクを簡便にスクリーニングするスケールを作成しその有効性について検討した。分析対象は155名(男性39名,女性116名),年齢61〜90歳,地区の公民館まで自力で通うことができる高齢者である。調査方法はまず生活機能アンケート調査を実施し,その後6ヶ月間の転倒に関するアンケート調査を実施した。「6ヶ月間の転倒」を目的変数としたロジスティック回帰分析を行った結果,「慢性疾患の有無」「過去1年の入院の有無」「和式トイレの使用」「落ちたものを拾う」「タオルをきつく絞る」「調理を行う」の6項目を因子として選択した。これらの項目から転倒予測スケールを作成し,そのROC曲線の評価からcut-off値を2点と判断したところ転倒の感度は70%,特異度は83%であった。本研究で示された項目は対象者が自立者であれば有用な要因と推測され,自立高齢者の転倒予測スケールに活用が可能と考えられた。
社団法人日本理学療法士協会の論文
2006-06-20