自己組織化マップを用いたあいまい検索手法の提案と不動産物件データへの応用
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概要
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データ検索手法で主に用いられている方法に条件検索がある.条件検索の問題点として,データベースに提示する条件の調整が困難な点が挙げられる.検索条件として与えた項目が複数個ある場合,どの項目をどれだけ調整すれば自分の欲しい情報が得られるかを判断する事が困難であるため,調整再検索を何度も繰り返さなければならない.更に,データベースによっては,値の取り得る範囲などの情報をあらかじめ検索者が学習していないと条件設定すら困難となる場合がある.一例として,不動産物件データベースを考える.住みたいと考える物件の検索条件として,家賃が安い,建物が新しい,住居スペースが広い,ランドマークに近い,などがあり,これらを全て満たす物件が最も望ましい物件といえる.しかし,ここで用いられる「安い」「新しい」「広い」「近い」と言ったあいまいな表現は,その物件の立地する地域によってその具体的な値が大きく異なる.検索者はまず,あいまいな表現とその地域の相場との関係を検索を行うことを通して学習しなければならず,検索に必要な時間の増大につながる.同様の問題は,求人情報検索,中古車検索をはじめとして多くの分野で存在すると考えている.上記の問題を解決するために,(1)あいまいな表現を具体的な値に対応させる必要なしに検索を行うことができる,(2)具体的な値の入力・変更なしに直感的に条件緩和・再検索を行うことができる,(3)望ましいデータが容易に見つかる,(4)情報検索になじみのない人たちにも直感的にわかりやすいインタフェースを備えている,という条件を全て満たす方法として,自己組織化マップを用いてデータベース内のデータの特徴や性質を2次元の特徴マップに表現し,学習データに指標データを加えて学習することによって学習データによらず特徴マップ上に検索の指標となるクラスタを表示し,検索条件の設定・調整や再検索は特徴マップ上で視覚的に行う手法を提案した.実際の不動産物件データを用いて実験を行った結果,この手法は検索者がイメージしているあいまいな条件で情報を探したいときに特に有効であることが示された.
- 日本知能情報ファジィ学会の論文
- 2006-06-15
著者
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