3値論理による関係の表現と推移閉包の計算(知識処理)
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概要
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ISMなどにおいては通常2項関係を表現するために0,1の成分を持つブール行列が用いられるが,ブール行列の成分0には「関係が成立しない」の意味だけではなく「関係が成立するかどうか不明」の意味も含まれている場合もあり,どちらなのか明確でないときがある.システムの構造分析やそのための入力作業において,両者を区別することができれば有用であると考えられる.このため「関係が成立する」を1,「関係が成立しない」を0,「関係が成立するかどうか不明」を-1の3値で表現し,3値の場合の推論規則と通常の2値の場合のWarshallの方法をもとにした3値化された推移閉包のアルゴリズムを構成した.この3値の場合のアルゴリズムでは,1に関する推論だけでなく,0に関する推論や矛盾の検出も可能であり,システムの構造分析において有用である.また,3値の場合の関係の推移性として限定的推移性の概念を定義し,この限定的な推移関係を表現する行列に対する推移閉包の逐次的構成法についても考察を行った.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 2006-07-15