材の生態機能特性からみた熱帯林樹種の多様性(<特集1>生物多様性科学の統合をめざして)
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概要
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熱帯林の樹木多様性は分類学上の種の多様性と、それらの機能的な多様性から特徴づけられる。材の生態学的な特性に着目し、種内と種間の機能的多様性を検討した。種多様性が高い熱帯林であるボルネオ低地林では、種の多様性と材の生態的特性の多様性が密接に関係していた。これに対し種多様性が低いハワイ山地林では、種内の形態変異によって機能的な多様性が観察された。そのため、熱帯林でも分類学的種多様性と機能的な種群(または種内エコタイプ)の両面を考慮した多様性の実態は複雑であり、種間と種内の機能分化を考慮した視点から種多様性が生態系機能に及ぼす影響を検討する必要がある。
- 日本生態学会の論文
- 2005-08-31