カナダの軍人遺族年金にみる南北戦争の影響
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概要
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カナダでは十九世紀に、軍事紛争に携わった人々の未亡人や遺児のための年金制度が発達した。従軍による負傷に苦しむ人々を救済するにあたって、当時は英国の伝統を踏襲して粗末で平等性を欠いたものであったが、アメリカでの南北戦争の退役軍人に対する年金制度が、カナダの制度にも多大な影響を与えることになる。その結果年金の受給資格は大幅に是正され、故人の軍での位に関係なく遺族は障害と勤続双方の恩給を受けられるようになった。また、アメリカの南北戦争によって登場した「従軍に対する報償」という考えは、1901年にカナダの軍人に対する年金政策が議会を通過する際の大きな要因となった。
- 2000-03-31