アーミッシュとアメリカの教育当局における衝突 : ヨーダー判決
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概要
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本論文では, 1914年から1972年までのアーミッシュと当局側の教育衝突を, アーミッシュ側勝訴に終わった合衆国最高裁判所のヨーダー判決を中心に考察する。まず, この世的なものを忌避するというアーミッシュの宗教理念に基づいた教育観について論じる。次に, 20世紀になって変貌したアメリカの教育制度(近代的教育設備を備えた中規模学区制の小学校教育, 義務教育期間の延長等)とアーミッシュの教育観の隔たりを見ていき, 両者の間で繰り返された教育衝突を考察する。最後に, ヨーダー判決の経緯と, 従来はアーミッシュ側敗訴に終わることが多かった教育衝突で, ヨーダー判決が勝訴になった背景として, 非アーミッシュのアーミッシュの宗教理念を尊重したアーミッシュ支持の訴訟方法, および, アメリカ司法界の宗教論争に関する解釈の変化について論じる。
- 上智大学の論文
- 1996-03-31