ナノテクノロジーのための極低加速走査電子顕微鏡(ナノテクノロジー時代の故障解析技術と解析ツール)
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概要
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100Vまで加速電圧を低くできる極低加速走査電子顕微鏡には,数kV以上の加速電圧で観察される従来のSEMと比較して,ナノレベルの材料極表面を観察できること,加速条件を制御することで帯電を防ぎ,絶縁物でも試料前処理をしないで観察できることなどの特徴がある.この特徴を生かし,極低加速走査電子顕微鏡を用いて,化合物半導体上の原子ステップ,Siウエハ上の汚染,光ディスク,めっき断面/界面を観察した例を示した.さらに,極低加速走査電子顕微鏡と組み合わせたEDS分析では,X線の発生領域が小さくなるため,30nm程度の空間分解で分析ができることを半導体のワイヤーボンディング部での分析例で示した.このような新しいSEMを用いることで,材料・製品・プロセスの研究・開発や製品トラブルシューティングにおいて新たな切り口となる可能性を示している.
- 2006-05-01