国際会計をめぐる動向とわが国の会計環境変化
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概要
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2001年、国際会計基準委員会の全面的改組に伴い、『会計基準の国際的調和化』から『会計基準の国際的統一化』への転換がみられる。この全面改組以降の動向は、アメリカの動向が左右するといっても過言ではない。なぜなら、国際会計基準の国際的地位は、アメリカ政券取引委員会 (SEC) を最重要メンバーとする政券監督者国際機構 (IOSCO) が、国際会計基準 (IAS) を承認するか否かにかかっていたからである。わが国で近年大きく取り上げられた一連の会計基準の大改正も、このような国際的な流れに影響を受けたものである。その際、個々の会計基準の相違点ばかりが問題とされるが、議論すべきは、我が国独自のトライアングル体制・官主導型の会計基準設定プロセスといった会計基準を生み出す土壌そのもの、すなわち会計環境であり、この改革こそが議論されるべき問題である。
- 2002-10-27