1-ニトロベンジルアデニン位置異性体によるヒトデ卵成熟誘起作用の解析
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概要
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十分発育したヒトデの卵母細胞は第一減数分裂前期で休止しており、そのままでは受精し、正常に発生することはない。これら未成熟卵の減数分裂の再開には卵濾胞細胞で生産される卵成熟誘起物質、1-メチルアデニン(1-MA)の刺激を必要とする。これまで1-MAは卵母細胞膜表面にある受容体に作用することが考えられている。本研究は卵成熟誘起機構における1-MAとその受容体との相互作用を明らかにする目的で、1-ベンジルアデニン(1-BA)が1-MAに匹敵する卵成熟誘起作用をもつことに注目し、ニトロベンジルアデニンなどのN^1置換誘導体を新たに設計・合成し、1-MA受容体との相互作用について解析した。1-ニトロベンジルアデニン(1-NBA)の位置異性体のうち1-ρNBAにはアゴニストとしての作用がみられたのに対して1-oNBAや1-mNBAにはアンタゴニストの作用がみられた。このことから、受容体タンパク質との相互作用にはN^1置換基の立体的位置関係が重要と考えられる。
- 帝京短期大学の論文
- 1999-04-26
著者
-
実吉 峯郎
帝京科学大・バイオ
-
実吉 峯郎
帝京科学大学
-
長濱 嘉孝
岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所・生殖研究部門
-
齊藤 美帆
帝京科学大学
-
吉国 通庸
岡崎国立共同研究機構 基礎生物学研究所
-
長濱 嘉孝
岡崎国立共同研究機構・基礎生物学研究所
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