含酸素0.25%ポビドンヨード溶液によるイリゲーションの効果 : 歯周ポケット内イリゲーションによる酸素分圧が臨床症状および細菌叢におよぼす影響について

概要

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本研究の目的は歯周ポケット内の酸素分圧が,臨床症状および細菌叢に与える影響を検索することである。対象には初期治療を終了した歯周病罹患歯を用いた。被験歯はhigh-O_2群,low-O_2群,対照群に選別した。研究開始時を0週として,0,1,2,3,4,6,8週時に,high-O_2群は被験歯歯周ポケット内を高含有酸素0.25%ポビドンヨード溶液にて,low-O_2群は0.25%ポビドンヨード溶液にて洗浄を繰り返し行った。対照群の処置はスケーリング,ルートプレーニングのみとした。臨床パラメータおよび歯周ポケット内の細菌叢を各週時の洗浄処置前に検索することにより,これら3群を観察し,high-O_2群とlow-O_2群および対照群の比較を行った。その結果,3群ともPlaque Index, Gingival Index, Gingival Crevicular Fluid, Probing depth, Bleeding on Probingおよび細菌叢の検索においては改善傾向が,酸素分圧は減少傾向が観察された。特に細菌叢の検索において,DNAプローブによる同定細菌数で,high-O_2群がlow-O_2群,対照群に比較し有意な減少が認められた。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1996-06-28