Actinomyces viscosusの産生するPorphyromonas gingivalisに対する殺菌物質について
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概要
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歯周疾患の進行に伴い歯周ポケット内細菌叢には変化がみられる。Actinomyces viscosusは健常者および歯肉炎患者から多く分離される細菌のひとつで,一方Porphyromonas gingivalisは主要な歯周病関連細菌のひとつである。歯肉炎から成人性歯周炎へ移行する段階において,これらの細菌間では相互作用を示すと考えられる。そこで,A. viscosusのP. gingivalisに対する作用のひとつとして,抗菌作用について検索した。穿刺培養法によって発育抑制作用について調べた結果,A. viscosusは明らかにP. gingivalisの発育を抑制した。そこでA. viscosus T14AV株の培養上清から,硫酸アンモニウム塩析,DEAE sepharose CL-6 B, Phenyl sepharose CL-4 B, HPLCにより抗菌物質の精製を行った。抗菌活性は,P. gingivalis 381株を指示菌として,拡散法により調べた。得られた抗菌物質の蛋白質あたりの活性は378倍に上昇し,回収率は26%であった。また,SDSポリアクリルアミドゲル電気泳動法より分子量を求めたところ58kDaであった。その活性は易熱性,trypsin感受性であったが,糖分解酵素であるendo-α-N-acetylgalactosaminidase, neuraminidase, O-glycanase, N-glycanaseには耐性であった。さらに,P. gingivalis 381株に対し殺菌的に作用した。以上の結果よりA. viscosusはP. gingivalisに対し抗菌活性を有する物質を産生することが明らかになった。
- 1995-12-28
著者
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