歯槽骨の吸収ならびに形成時における骨代謝マーカーの変動
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概要
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本研究は歯槽骨の骨代謝のマーカーとしてデオキシビリジノリン(DPD),オステオカルシン(OC)の有効性に関して検討を行った。in vitroにおいてイヌ歯槽骨の骨片上で分離ウサギ破骨細胞を48時間培養し,培養液中のDPDと骨吸収窩との関係を検討した。次にイヌの歯肉溝内に絹糸を結紮し,実験的歯周炎を惹起させ,結紮後0,3,7,14,21日目に歯肉溝滲出液(GCF),血清,尿を採取した。DPDはモノクローナル抗体を用いたELISA法で測定した。さらにイヌの下顎小臼歯部に骨欠損を作製し,術後毎週血液を採取し,骨形成マーカーとしてのOCを測定した。その結果,(1)培養液中のDPDの測定においてコントロール群に比べ実験群の培養液中のDPDは増加した。(2)実験的歯周炎においてGCFと尿のDPDは3日目には上昇し,14日,21日目には低下する傾向がみられたが,血清中のDPDの変化はみられなかった。(3)骨欠損作製前に比べ術後1,2,3週目に血清中のOCの増加がみられた。以上の結果より,これらマーカーが歯槽骨代謝をモニターできる可能性が示唆された。
- 1995-09-28
著者
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