ヒト歯肉線維芽細胞に対する免疫抑制剤(FK 506, Ciclosporin)の影響
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
Ciclosporin (Cs)は臓器移植の際の免疫抑制剤であるが,副作用として歯肉増殖が挙げられ,Cs服用による歯肉増殖は,臨床的,病理組織学的に多数の報告がなされている。そこで,より優れたFK506 (FK)が開発され,最近頻用され始めているが,その副作用については,不明の点が多い。そのため,FKが歯肉増殖を引き起こす可能性について,培養歯肉線維芽細胞にそれぞれの免疫抑制剤を単独作用ならびに炎症の関与を考慮してインターロイキン1 (IL-1)をさらに作用させ,[^<14>C]プロリン取り込み量,コラーゲン合成量,コラゲナーゼならびにコラゲナーゼインヒビター活性について,すでに歯肉増殖を引き起こすことが知られているCsと比較検討した。その結果,FKにより,[^<14>C]プロリン取り込み量,コラーゲン合成量,ならびにコラゲナーゼインヒビター活性値が濃度依存的に増加した。さらに,IL-1を作用することで,[^<14>C]プロリン取り込み量ならびにコラーゲン合成量はFK単独作用より増加し,その作用はCsに比べFK値の方が強かった。以上のことから,FKもCsと同様に歯肉増殖を引き起こす可能性があり,IL-1の関与で発症確立はさらに増強することが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1995-06-28
著者
関連論文
- B-29-10 : 20 歯周炎歯肉におけるGranzyme AおよびPerforinの発現
- C-27-10 : 10 炭酸ガスレーザーの歯周病原性細菌に対する殺菌作用について
- ルートプレーニング後の象牙質面に対する化学的根面処理剤の効果 - 走査型電子顕微鏡観察 -
- 歯周炎におけるグランザイムAとインターロイキン2遺伝子発現に関する研究
- 歯面研磨用バーによる処置歯根面に対する培養細胞付着に関する研究 : 走査型電子顕微鏡による観察
- ヒト歯槽骨由来細胞の細胞特性 : 第3報 石灰化物形成過程とホスファターゼ活性の経日的変動について
- ヒト歯肉線維芽細胞に対する免疫抑制剤(FK 506, Ciclosporin)の影響
- A-37-13 : 00 ヒト歯肉線維芽細胞に対する免疫抑制剤(FK506,Ciclosporin)の影響
- PS-155-7 胸壁浸潤局所進行肺癌に対する治療(肺外科治療(悪性),ポスターセッション,第112回日本外科学会定期学術集会)