細胞外基質および間質細胞への活性化B細胞の接着機構
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概要
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B細胞の炎症部位への集積と定着のメカニズムを解明するため,B細胞のフィブロネクチン(FN)とヒアルロン酸(HA)に対する接着について検討した。PMA,IL-5,LPSなどの刺激によってB細胞のFNとHAの両方に対する接着能の上昇が誘導され,FNに対する接着能は急速に上昇し,その後徐々に低下したが,HAに対する接着能は一旦急激に低下し,その後徐々に上昇した。接着阻害実験によりFNへの接着にはVLA-4分子が,HAへの接着にはCD44分子が関与していた。HAに対する接着能の上昇にはCD44分子の発現量の増加が関与した。さらにB細胞と間質細胞の接着では,PMA 4時間刺激B細胞の場合には主にVLA-4を介して,16時間刺激B細胞の場合には主にCD44を介して間質細胞と接着していた。これらのことより,IL-5やLPSによって刺激されたB細胞がVLA-4とCD44を使い分けることが,炎症部位へのB細胞の集積と定着に重要な働きをしていることが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1993-06-28
著者
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