三次元培養法の応用による歯周組織モデルの開発とその形態学的構造
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概要
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本研究は白色家兎歯根膜由来線維芽細胞様(RPDL)細胞含有コラーゲン・ゲルを用いin vitroにおいて三次元的な歯周組織の構造と機能を再現し,歯一上皮結合の状態を検討したものである。白色家兎抜去歯歯根片をRPDL細胞含有のコラーゲン・ゲル中に植立し,さらに口腔粘膜上皮由来の上皮細胞をゲル上に培養した。培養3日後に上皮部分のみを空気に暴露し,さらに7日間培養を行い,光顕および電顕試料を作成した。その試料を白色家兎歯周組織と比較し,組織学的に検討を加えた。その結果,上皮細胞は歯面に沿ってゲル中に増殖し,歯面とヘミデスモゾームにより付着していた。付着部中間層の上皮細胞は細胞間隙が拡大していた。なお,ゲル上の上皮細胞は重層化し,最表層部で角化傾向を認めた。以上の所見は,in vivoで認める口腔上皮と類似した組織形態であり,コラーゲン・ゲルを用いた三次元培養法の有用性が示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1993-03-27
著者
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