歯周病の進行におけるインターロイキン6の様態に関する研究
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概要
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歯周病へのインターロイキン6(IL-6)の関わりを評価することを目的として,44名の歯周病患者および25名の健常者について,末梢血単核球のIL-6産生能,血清IL-6活性,歯肉組織のIL-6mRNAおよびIL-6レセプターmRNA発現,さらにIL-6産生細胞を調べた。歯周病患者の末梢血単核球IL-6産生能および血清IL-6活性は個体差が大きく,健常者のそれらに差がなかった。しかし,若年性歯周炎患者の血清IL-6活性は有意に低かった。あらゆる病型の歯周炎歯肉(17個)からIL-6mRNAおよびIL-6レセプターmRNAを検出した。検出量は炎症の程度によって異なり,同一患者でも採取部位によって異なる。また,健康歯肉ではそれらを検出し得ないこともあった。末梢血レベルの所見と炎症歯肉での所見は全く相関しなかった。歯周炎組織のIL-6産生細胞は,血管内皮細胞,線維芽細胞およびマクロファージであった。本研究から,歯周病の病理はIL-6の様態を含めたサイトカインネットワークの関連から捉えられなければならないことが示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1992-06-28
著者
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