辺縁性歯周炎の活動性に関連する免疫担当細胞についての免疫組織化学的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
歯周治療の流れの中で歯周ポケット未処置の症例群(P-1),初期治療後も深いポケットが残存した症例群(P-2),臨床的に治癒した症例群(P-3)の3群を選び,まず病変の進展に関わる細胞を,次にP-2の位置付けを明確にすることを目的とした。歯肉炎罹患歯肉を対照とし,抗ヒトLeu4+5b, Leu3a+3b, Leu2a, Leu14, LeuM5, HLA-DRおよび抗ヒトIgA, G, E, Mを用いた免疫組織化学的検索を行った。その結果,P-1ではP-3および歯肉炎に比べ形質細胞,B細胞,マクロファージの比率が高かった。さらに,ポケット上皮直下では深部組織に比べてT細胞,B細胞,マクロファージの比率が有意に高く,形質細胞の比率は有意に低かった。以上より,歯周疾患活動性には形質細胞の前駆細胞であるB細胞とマクロファージが,より密接に関連していると考えられた。また,P-2の浸潤細胞の比率はP-1と類似しており,臨床的にburstを生じる危険性はP-1に近いことが推察された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1992-03-28
著者
関連論文
- リン酸カルシウム系セラミックの歯周治療への応用 : 7.Hydroxyapatite block移植後1年の病理組織像 : 第30回春季日本歯周病学会総会
- リン酸カルシウム系セラミックの歯周治療への応用 : 7.Hydroxyapatite周囲に再生した骨組織について
- リン酸カルシウム系セラミックの歯周治療への応用 : 5.広い人工的骨欠損へのhydroxyapatite blockの応用
- 福岡地区における歯周疾患の疫学的研究(第2報) : 一般中高年齢者の歯周疾患罹患状態について
- 辺縁性歯周炎における塩化リゾチーム含有歯磨剤の臨床効果について
- 福岡地区における歯周疾患の疫学的研究(第1報) : 外来患者の歯周疾患罹患状態について
- 歯周疾患における免疫系細胞の動態に関する免疫組織学的研究 : 3.T cellサブセットの解析
- 辺縁性歯周炎に関する免疫組織学的研究 : Tリンパ球サブセットの解析 : 第30回春季日本歯周病学会総会
- ハイドロキシアパタイト補填後の長期経過症例について : 1.残存歯率および残存歯の条件
- B-12-1120 AMex法を用いた歯周組織の免疫担当細胞の検索
- 1B-7-10 : 30 辺縁性歯周炎罹患歯肉におけるカテプシンDの局在についての免疫組織学的研究
- 辺縁性歯周炎の活動性に関連する免疫担当細胞についての免疫組織化学的研究
- 歯周疾患における免疫系細胞の動態に関する免疫組織学的研究 : 2.ランゲルハンス細胞の動態