初期治療における血清及び歯齦溝滲出液中の歯周病原性細菌に対するIgG抗体価の変動について
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概要
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成人性歯周炎患者の歯周ポケット局所における歯周病原性細菌と,それら特定細菌に対する歯齦溝滲出液(GCF)及び血清中のIgG抗体価の歯周初期治療における動態を調べるために,21名の成人性歯周炎患者の歯周初期治療前後(治療後14名)の血清と,歯周炎罹患部位42部位(実験部位,治療後28部位)及び臨床的に比較的健康と思われる21部位(対照部位,治療後14部位)のGCF中の特定細菌に対するIgG抗体価をELISAを用いて検索した。供試した6菌種9菌株は,健康部位と比較して歯周炎罹患部位において有意に高い割合で存在していたが,両部位におけるGCF中の各細菌に対するIgG抗体価に違いは認められなかった。Porphyromonas gingivalisとWolinella rectaの2菌種については,その局所における存在とGCF中のIgG抗体価の上昇との間に有意な関連が認められた。また初期治療後に,同2菌種に対するGCF中のIgG抗体価は有意な上昇を示した。以上の結果から,種々の細菌に対するGCF中のIgG抗体価は歯周炎の病態を示す指標となる可能性が示唆された。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1992-03-28
著者
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