ラット骨膜血管の加齢変化 : その微細構築と透過性について
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概要
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ラット歯槽部骨膜血管の加齢変化を検索する目的で,Wistar系雄性ラット生後1, 3, 6, 12および24ヵ月の下顎第一臼歯部の舌側歯槽部骨膜を詳細に観察した。すなわち,その部の微細血管鋳型を走査電顕で,また血管内皮の透過に関する超微構造とtracerによる透過性との関係を透過電顕で比較検討を行った。その結果,加齢に伴う骨膜,とくに骨芽細胞の形態変化に対応して骨膜毛細血管の分布密度および内皮細胞の透過性が加齢的に低下していた。つまり,骨芽細胞が活発な骨基質産生を行っていた生後3ヵ月までは,毛細血管は骨芽細胞の外側面に密に分布し有窓型を呈し,窓からtracerが透過していたが,生後6ヵ月以降,骨芽細胞の骨基質産生がほとんど認められない休止期には毛細血管は減少傾向を示し,連続型を呈していた。その時期,tracerは主に形質膜小胞から透過して,透過経路が変化していることが明らかになった。
- 1991-12-28
著者
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