組織再生誘導法の新付着形成に関する病理組織学的研究
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概要
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組織再生誘導法により歯根膜由来細胞が,根表面に集積することによって生ずる治癒形態を検索した。実験には24頭のイヌを用い,下顎頬側粘膜骨膜弁を形成後,琺白境界部から根端側に約4mm歯槽骨を除去した。実験群に関しては膜を応用し,対照群には膜を応用せずに弁を元に戻し縫合した。観察期間は1,2,3,4,6,12週とし,病理組織学的に検索した。その結果,実験群では全期間を通して白亜質芽細胞が根表面に付着あるいは近接して認められ,コラーゲン線維を埋入した新生白亜質が認められた。一方,対照群では全期間を通して根面に付着あるいは近接して線維芽細胞が認められた。しかし,新付着形成は認められず,根面と平行に走向するコラーゲン線維束からなる結合組織性付着が観察された。以上の結果から,本研究では歯根膜および歯槽骨由来細胞が根表面で白亜質芽細胞に分化し,新付着を獲得する能力をもっていることが示された。
- 1991-09-28
著者
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