トーマス・ロバート・マルサス著『人口の原理要論』
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本稿は、LONDONのWILLIAM PICKERING社が1986年に発行したトーマス・ロバート・マルサスThomas Robert Malthus 著作集第4巻に収録されているPopulation, 1824である。これは、最初エンサイクロペディア・ブリタニカヘの「人口」項目の補遺として発表され、その後若干の修正を施こされて単行本として1830年にA SUMMARY VIEW OF THE PRINCIPLE OF POPULATION なる題名で出版された。後者は小林時三郎氏によって、『人口論概要』として翻訳され1953年に未来社より社会科学ゼミナールの一冊として刊行された。しかし50年も前のことでもあり、いまでは絶版になっているうえに、コピーに耐えられないほどいたんでいるのでコピー禁止となっている図書館もある。今回は前者を翻訳し、後者との異同を明確にした。その主たる内容は、以下のようである。 1.障害がなければ、動植物は幾何級数的に増殖する。 2.人間の場合、自然によってチェックされないとき。アメリカ合衆国。 3.傍証としてスペイン領植民地を掲げる。4.積極的チェックと予防的チェックとがある中での人口増加力について。 5.算術級数的に増加する食料と収穫漸減の法則について。 6.諸チェックの現実的作用。 7.私有財産制度と有効需要-反共産主義。 8.人間と社会諸制度の果たす役割。 9.結婚に対する思慮深い抑制。 10.死亡率と結婚率・出生率との相関。 11.人口増大の三つの原因と思慮ある分別の内容。 12.思慮深い抑制の指標としての出生率。 13.私有財産制度と貧民の生きる権利。 14.人口の原理はキリスト教の教えと矛盾しない。
- 2003-10-30