日本・中国の産業構造および貿易構造の現状
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概要
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本稿は、近年急激にその関係性を深めつつある日中経済の現状と今後について、実証的な分析を行なったものである。分析の視点は、以下の二点に集約される。一つは、日中両国の産業構造に関する分析である。本稿では、両国の産業連関表を用いたスカイライン分析によって、産業構造・貿易構造の実態を明らかにし、両国産業構造の比較分析を通して日中経済の今後についても言及している。二つ目の視点は、日中間の貿易および直接投資を通じた相互依存関係の分析である。これに関しては、財務省『貿易統計』による日中貿易の現状観察や、東洋経済新報社『海外進出企業総覧』を用いた日系企業の中国進出要因に関する分析を行っている。以上の分析より、中国経済の発展は、雇用面などで日本経済にマイナスの影響を与えているものの、今後の更なる中国市場の拡大は、輸出や直接投資を通じて日本経済に大きなプラスの影響をもたらす可能性があることが明らかとなった。
- 立正大学の論文
- 2003-10-30