人工骨移植材がイヌ・実験的歯槽骨欠損の組織修復過程に及ぼす影響
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概要
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ビーグル犬に実験的歯槽骨欠損を作製,そこへTBC(True Bone Ceramic)およびHAP(Hydroxyapatite)を移植し,おのおの1ヵ月,3ヵ月および6ヵ月後での各移植材による修復過程の変化について病理組織学的に検討した。すなわち下顎両側のP4およびM1近心に長さ3mm,幅2mmおよびセメント・エナメル境から深さ6mmの骨欠損を形成し,P4にTBCおよびM1にHAPを移植した。TBC移植後1ヵ月では,TBCは結合組織によって囲まれ,結合組織や気孔中に,微小血管の新生が認められた。また,歯槽骨の新生は,骨欠損底部や側壁から認められたが,TBCと骨組織の間には結合組織の介在が認められた。しかし,気孔中では,その内壁に一層の骨様組織の形成が観察された。TBC移植後3ヵ月では,骨欠損窩洞中央部でTBCに接して層状の骨組織の形成が観察された。またTBC移植後6ヵ月では,TBCを中心として骨の新生が認められ,母床骨と離れたTBCの表層部に骨形成が観察された。HAP移植後1ヵ月では,HAPの周囲は結合組織によって囲まれていた。歯槽骨の新生は,骨欠損底部や側壁から認められHAP,骨組織との間には結合組織の介在が認められた。またHAP移植後3ヵ月では,HAPと骨組織が直接接する箇所は少なく,大部分は骨組織の間に結合組織の介在が認められた。さらに移植後6ヵ月になると,HAPは概ね母床骨と連続する骨組織によって囲まれているが,その境界は不鮮明であり,一部ではHAP内部に微小な線維の侵入が認められた。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1990-06-28
著者
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