イヌの実験的歯周炎における歯肉上皮ならびに上皮下結合組織のグリコサミノダリカンについて
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概要
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イヌの歯肉溝に外科用縫合糸を結紮して実験的歯周炎を惹起し,結紮後7日,21日,60日,90日の歯肉をそれぞれ上皮と結合組織に分離し,両者からグリコサミノグリカン(GAG)を抽出し,定性,定量を行い,また^3H-グルコサミンの取り込み実験を行った。その結果,上皮のヒアルロン酸は他のGAGに比較して急性炎症期には著明に減少し,また^3H-グルコサミンの取り込みは高い値を示した。結合組織のデルマタン硫酸とヒアルロン酸は急性炎症期に減少するのに対し,コンドロイチン硫酸とヘパラン硫酸は増加傾向を示した。一方,^3H-グルコサミンの取り込みは急性炎症期に全て増加したが,特にコンドロイチン硫酸の取り込みは著しく,慢性炎症期においても元のレベルに戻らなかった。以上のことから,上皮のGAGは結合組織のそれに比較して異なった反応を示すことがわかった。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1988-12-28