歯齦被弁手術後の創傷治癒に関する病理組織学的研究 : 特に2種類の根管充填材(剤)の影響について

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概要

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実験Iでは,イヌの抜去歯根を用いて根管充填剤成分の象牙質透過性をin vitroで検索した。その結果ネオトリオジンクパスタを根管充填した試料において,明確な象牙質透過性を認めた。また実験IIでは,根管充填剤の違いが歯齦被弁手術後の創傷治癒過程に及ぼす影響を病理組織学的に検索した。実験動物にはイヌを用い,対照群は生活歯のまま,実験群は第1群にガッタパーチャ,第2群にはネオトリオジンクパスタを根管充填した後歯齦被弁手術を行い,創傷治癒過程を光学顕微鏡ならびに電子顕微鏡を用いて検索した。その結果,生活歯に比べ,失活歯の方に若干の治癒の遅延が観察された。また第1群と第2群の比較では,治癒過程の初期において第2群の方が炎症の消退および歯齦粘膜固有層中のコラーゲン線維の再生に遅延傾向が認められたが,最終的な治癒形態については両群間に大きな差異は認められなかった。
特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
1988-09-28

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