ハムスターにおけるActinomyces viscosus経口免疫の口腔内生着抑制
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概要
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本研究はActinomyces viscosus (A. viscosus)の感染に対する経口免疫の効果をハムスターで検討することを目的とした。経口免疫及び感染細菌としてストレプトマイシン耐性のA. viscosus T14VR株を用いた。ゴールデンハムスターにホルマリン処理したA. viscosusの全菌体を16週間にわたりゾンデをもちいて経口投与した。投与開始4週目において唾液中の抗A. vlscosus IgA及びIgG抗体価の上昇が認められた。この抗体価は経口免疫の継続により実験終了時の16週目まで維持されていた。A. viscosusの口腔内接種を唾液中の抗体価が上昇した後に行い,その後1, 5, 9週目にA. viscosusの口腔内での生着状態をしらべた。その結果,経口免疫群ではA. viscosusの検出率が対照群に比較し有意に低かった。これらの実験結果は,経口免疫が歯周病原性細菌の口腔内への付着阻害及び増殖阻害に有効であることを示唆している。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1988-09-28