歯周組織への電気刺激でヒト咬筋に誘発される反射性応答 : 歯根膜-咬筋反射について
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概要
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5人の被験者に歯根膜を含めた歯周組織への電気刺激を行い,咬筋EMG中に誘発される反射性応答と知覚する感覚との関係について調べ,以下の知見を得た。感覚発現閾値で約8msecの潜時を持つ興奮性反射応答(ER)が平均77%出現したが,抑制相(SP)は平均24%であった。電気刺激部位を浸潤麻酔すると感覚及び各反射は消失した。咬合力0kg(安静時)ではERは出現せず,咬合力の増加に伴いERは増大した。咬合相,閉口相ではERが出現したが,開口相では出現しなかった。以上の結果から歯周組織への電気刺激で咬筋EMG中に出現するERは歯根膜に存在する受容器からの入力で発現する「歯根膜-咬筋反射」であることが考えられる。またこの反射の閾値は感覚の発現閾値と一致し開口反射よりも低く,更にこの反射の発現には咬筋筋活動が必要であることから咀嚼時や咬合時に咬筋筋活動を調節する役割を有していると思われる。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1988-03-28
著者
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