咬合性外傷の治癒経過に関する実験的研究
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
日本ザルを用い,その下顎右側第2大臼歯に咬合高径を高めた鋳造冠を装着し,当該歯部に咬合性外傷を惹起せしめ,その後,咬合調整によって外傷性咬合を除いた後の回復状態を臨床的およびX線規格写真学的に観察するとともに歯槽骨のひずみ量の測定を行なった。その結果,実験期間を通じて,臨床所見とくに歯肉炎症指数,ポケットの深さおよび歯肉溝浸出液量の測定結果などから歯肉に炎症症状は認められなかった。一方,X線規格写真およびその写真を分析した結果より,鋳造冠装着後8週目までは,根分岐部歯槽骨,歯根膜腔および槽間中隔骨頂部のX線透過性が高くなっていくのが顕著に認められたが,8週目以降から12週目にかけてはそのX線透過性の増加率は少なかった。つぎに咬合調整後の回復経過については,調整後8週から12週目にかけて被験歯の上述したX線透過部の顕著な減少がみられたが,それ以後の減少率は緩慢であった。他方,歯冠部に荷重を加えたとき,根分岐部に最も大きなひずみが生じることが確認できた。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1984-12-28
著者
関連論文
- 歯肉炎および辺縁性歯周炎に対するパスター剤「アセスA」の二重盲検法による薬効評価
- Root planingに関する研究(II) : とくに歯面損傷について
- Root planingに関する研究(I) : とくに歯面損傷について
- 歯肉包填剤の研究 : 第8報・各種歯肉包填剤の液剤が血管透過性におよぼす影響について : とくに液剤を構成する成分個々の影響について
- 37.咬合性外傷の治癒経過に関する実験的研究(II)(一般講演要旨,第22回 秋季日本歯周病学会)
- 歯肉線維および歯根膜線維の走査型電子顕微鏡による観察所見
- 29.咬合性外傷の治癒経過に関する実験的研究(予報)(第20回 秋季日本歯周病学会)
- 歯肉包填剤の研究 : 第6報・操作時間,硬化時間,硬さについての知見補遺
- 19.歯ブラシ線維に関する研究(V) : とくに歯みがき圧を考慮して(一般講演要旨,第25回 春季日本歯周病学会)
- 咬合性外傷の治癒経過に関する実験的研究
- 41.歯ブラシ線維に関する研究(IV) : とくに歯みがき圧を考慮して(一般講演要旨,第24回 秋季日本歯周病学会)
- 41.歯ブラシ線維に関する研究(III) : とくに歯みがき圧を考慮して(一般講演要旨,第24回 春季日本歯周病学会)
- いわゆるBass techniqueに用いる歯ブラシの線維先端の損耗に関する研究(I) : とくに歯みがき圧を考慮して
- 37.歯ブラシ線維に関する研究(II) : とくに歯みがき圧を考慮して(一般講演要旨,第23回 秋季日本歯周病学会)
- とくに臨床家の立場からみて (歯周疾患の発病因子をめぐって)
- 36.歯ブラシ線維に関する研究(1) : とくに歯みがき圧を考慮して(一般講演要旨,第23回 春季日本歯周病学会)
- 20.咬合性外傷の治癒経過に関する実験的研究(I)(第22回 春季日本歯周病学会)
- 34.Root planingに関する研究 : とくに歯面損傷について(第21回 秋季日本歯周病学会)
- 33.いわゆるBass techniqueに用いる歯ブラシ線維尖端の形態学的研究 : とくに歯みがき圧を考慮して(第21回 春季日本歯周病学会)
- いわゆるBass techniqueに用いる歯ブラシ線維尖端の形態学的研究 : とくに歯みがき圧を考慮して : 一般講演要旨