混在菌塊から細胞壁の厚い菌を収集する方法 : 形態学的1考案
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概要
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ヒト歯苔の深部に存在する細胞壁の厚い菌(壁厚菌)を対象とする研究目的のひとつの手がかりとして,In Vitroで混在菌塊の中から,壁厚菌を効率よく収集する為に,次の3つの連続した手順を考案且つ使用した。1),混在菌塊をBHI液体培地に移し増殖させ,吸光度の静止期迄培養。2), 1)の後,遠沈収集した菌塊を滅菌脱イオン水に投入し,吸光度が変動しなくなる迄放置。3), 2)の後,再びBHI液体培地に移し増殖させ,吸光度の静止期迄培養。各手順後,各々の菌について性能検査ならびに透過電顕観察等を行った。その結果,次の知見を得た。I.最初の試料〔1)〕に約10%混在する壁厚菌は,最後の手順〔3)〕後,約70%の割合で収集可能である。II.今回の手順を再度繰り返す事により,壁厚菌の収集率を100%近く迄上昇させる事が出来ると思われる。III.通常のStrep mutansの性能検査に於て,混在菌塊から壁厚菌を高率に収集したい時に従来の方法では困難な場合,今回の手順を使用すると壁厚菌の収集が容易に可能となる。
- 特定非営利活動法人日本歯周病学会の論文
- 1984-03-28