不安の研究 : Nail-Bitingを中心に
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概要
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(1) 全児童の10.6%が強度(+3)、中度(+2)、軽度(+1)の咬爪者であった。そのうち6.7%(全咬爪者児童の63.3%)は指標(10×1)軽度、(10×2)中度、(10×3)強度の咬爪者で、10本の爪を咬爪している児童であった。この10本の爪を咬爪している児童が「定型咬爪者」である。(2) 全児童の3.9%は指標(1-9)軽度、(11-19)中度、(21-29)強度に咬爪している児童である。この3.9%(全咬爪者児童の36.7%)が「不定型咬爪者」であった。(3) 男子と女子とでは、男子が優勢である。年令的発達段階では幼児期、児童期、青年前期、青年中期の区分のうち、咬爪者児童の年令分布の頂点は児童期8才~11才の知識生活時代にきわめて多いことがいえる。(4) Wechsler. D(1931),Massler,M & Malone A. J(1950)と本研究とを比較検討したのであるが、アメリカの児童にその数値が著しく大であり、民族的差、社会的、時代的差のあることが認められた。(5) 一般児童と非行少年との比較において非行少年に19.5%、一般児童10.6%で非行少年に最も多く、ハァバード大学法学部教授Elenor Glueckの調査とその傾向が一致する。(6) 身体的状況の結果、要保護児童に多く、特に扁桃腺肥大児童に多く、咬爪者の大多数の者が、不眠、頭重、頭痛、胃腸障害を訴えるものが多かった。(7) 咬爪の阻止された理由として、特に社会的不承認、社会的認識がたかまったとか、爪の美化的認識、徽菌とか不潔の恐れ等が調査結果にあらわれた。(8) 適応性診断検査の結果、定型咬爪者は神経質傾向、自尊感情、社会的技術、統率性、学校関係に適応性が欠如している。適応性総計において、咬爪者が普通の児童よりも不適応を示している。(9) テーラー不安指標では、普通の児童よりも咬爪者の不安の高いことを示している。咬爪時の過程はなんらかの不安と圧力が加って、終始緊張しきった場面において咬爪している、試験中、スポーツ競技を見ているとき、映画やテレビを見ているとき、対話のとき、嫌いだとか、くやしい、にくらしい、叱責されたとき等の快、不快の感情に伴って咬爪している。あるいは退屈しているとき、疲労しているとき等、常時興奮と抑制が交互に作用している。
- 1969-02-28
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