農業における温室効果ガスの排出と削減
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概要
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地球温暖化防止のために,京都議定書締約国は温室効果ガス排出削減行動を実施している。2005年の日本の温室効果ガス排出量インベントリーでは,農業部門からの温室効果ガス排出量はCO_2換算で,CO_2:0g,CH_4:13,417 GgCO_2eq.,N_2O:19,812 GgCO_2eq.の計33,229 GgCO_2eq.であり,日本全排出量1,259,426 GgCO_2eq.に占める割合は2.6%と寄与は低いものの,CH_4およびN_2Oの排出量に限って言えば,総CH_4および総N_2Oに占める割合は,それぞれ69.6%および57.2%と高い寄与がある。そのため,農業においてもメタンとN_2Oの排出削減の努力が求められている。その排出削減技術としては,CO_2では保全的耕転による耕起の減少などの農地管理,CH_4では水田灌漑管理,肥料の利用改善,反芻動物の腸内CH_4低減,N_2Oでは緩効性肥料や硝化抑制剤などがある。しかし,このような排出削減技術の開発に取り組みつつあるものの,それら技術を適用した実測データ自体が不足し,その有効性が確認できていない場合が多い。今後ともそれら技術の確立や新規削減技術の開発が必要である。
- 社団法人大気環境学会の論文
- 2006-05-10
著者
関連論文
- 書籍名 広域大気汚染 : そのメカニズムから植物への影響まで, 著者 若松伸司・篠崎光夫, B6版 209ページ, 本体 1,600円+税, 発行所 裳華房, 発行日 2001年9月10日
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