核磁気共鳴画像(MRI)を利用した小児脳プロトン緩和時間測定
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概要
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MRIより小児生体脳組織のスピン-絡子緩和時間(T_1). スピン-スピン緩和時間(T_2)を計測し,次の結論を得た。1)出生後脳内部位別のT_1,T_2値は,いずれも出生直後に最も長い値を示し,加齢に従って急速に短縮する。部位によって多少の差違はあるが,早い部位で1才,遅い部位でも5才までには正常成人のレベルに達する。2) T_1, T_2値共,大脳皮質および基底核部で皮質下自質および、内包に比べて長い値をとる。3)対象疾患群中の変性疾患例,脳挫傷例,および一部の脳腫瘍例では,いずれも正常値に比べて著明な延長を示す。脳萎縮およびてんかん例では,正常値の範囲か,やや短縮した値をとる。脳出血例では他の疾患に比べて短かい値をとる傾向を示す。4)生体脳組織T_1,T_2は,各疾患の病態の変化,治療効果の判定の上で,無侵襲かつ客観的なパラメーターとなる可能性がある。
- 神戸大学の論文